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トム・ワトソン〜名言集〜


「人はかけがえのない瞬間、シーンを味わえる素晴らしさを誰でも持っている」

彼にとって、人生の中で最もかけがいのない(プライスレス)シーンは、と質問するとすぐに「1977年全英オープン」と答えた。
「最終日、最終ホール。1打差でティグランドにやってきて第1打を放ち、2打地点に立ったんです。
残り178ヤード。7番アイアンを手にしてショットしたんです。
……ボールが空気を裂くように空中に舞って、ギャラリーがぎっしりとグリーンを取り囲んでいました。黄色いピンの旗が、小さく、でも鮮明に見えていました。ボールは、その奥の小高い丘にタンベリーホテルが見えました。その上の青い空に向ってボールが飛んでいって、その旗に呼び寄せられるように放物線を描いていました。そのわずか数秒のシーンが僕にとってのプライスレス・シーンです」トム・ワトソンは、そう語った。
そして、「人は、そういうかけがいのない瞬間、シーンを味わえる素晴らしさを誰でも持ち合わせているんです」と締めくくった。1977年4月、マスターズ。
彼は、ふたつめのメジャーに優勝することになる。ラーニング&ウイニングの年代と彼が言うとおり、70年代後半で彼の積み重ねた努力と準備がようやく結実してきた。
そして1977年全英オープン……。
「この試合は私にとって忘れられない、しかも最高の思い出のゲームです」とワトソンは言った。この2試合ともに帝王ジャック・ニクラスとのデッドヒートだった。
「1打を競い合う闘いだったんですよ。私がバーディをとれば、ジャック(ニクラス)もバーディをとっていく。厳しい状況でも絶妙なパーを拾っていく。お互いに一歩も引かない。残り少ない終盤の15番ホールで、私が幸運なバーディパットを沈めて、ジャックとタイになったんです」それまで何度も死闘を繰り返してきた。
その1打ごとの弾道は、ふたりとも芸術的なまでに美しいものだった。
17番ホールでニクラスが思わぬミスをした。そこでボギー。
最終ホール。ワトソンは、決定的なバーディをもぎ取って決着した。
「私はベストを尽したさ。ただ、それ以上にベストを尽した人間が、1人だけいたということだ」ジャック・ニクラスが残したこの言葉で、どんなに激烈な闘いだったかわかるはずだ。 (週間ゴルフダイジェスト2003・8/19/26より)

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